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税務調査で慌てないために今やっておくべき3つの準備

税理士 林遼平

税理士 林遼平

「うちは大丈夫」と思っていませんか?

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

税務調査――と聞くだけで、少し身構える経営者の方は多いのではないでしょうか。
「特別なことをしていないから大丈夫」と思っていても、帳簿の整理不足や経費処理のあいまいさが原因で指摘を受けるケースは少なくありません。

実際、国税庁のデータによると、税務調査の対象は中小企業が中心で、特に現金商売・飲食・建設・サービス業は重点的に調査されています。
(参考:国税庁「令和5事務年度における法人税等の調査事績」

この記事では、税理士法人ビジョン・ナビが経営者・経理担当者向けに、
「税務調査で慌てないために今やっておくべき3つの準備」をわかりやすく紹介します。

1. 帳簿・証憑(しょうひょう)の整理を徹底する

調査で最も確認されるのは「数字の根拠」

税務調査では、売上・仕入・経費の数字にきちんとした根拠書類(証憑)があるかを確認されます。
例えば、次のような点が重点チェック項目です:

  • 売上伝票・請求書の控えが全て保管されているか

  • 経費の領収書に支出内容が明記されているか

  • 振込明細・預金通帳が帳簿と一致しているか

「レシートを捨ててしまった」「領収書の但し書きが空欄」というのはNGです。
後から説明がつかない支出は、経費否認(=税金が増える)可能性もあります。

日常的な記帳ルールを整える

調査直前に慌てて整理するのではなく、

  • 毎月の帳簿チェック

  • 経理ソフトでの自動仕訳活用

  • 書類スキャンによる電子保存
    といった日常的な記帳習慣をつけることで、調査時の負担を大幅に減らせます。

2. 経費処理の妥当性を点検する

よくある指摘ポイントは「私的支出」との区別

税務調査で特に多いのが、「本当に業務に必要な経費か?」という指摘です。
具体的には以下のような項目がよく見られます:

指摘されやすい経費 注意点
接待交際費 相手先・目的を明記する(名刺添付が理想)
旅費交通費 私用出張・家族同伴分は除外
車両費 家庭用車と業務車を明確に区別
通信費 個人スマホ・サブスク利用分を除外

「経費で落ちるかどうか」は説明できるかどうかで決まります。
税務署は“合理的な説明”があれば納得しますが、曖昧な支出は認められません。

税理士に「経費の線引き」を相談する

グレーゾーンな経費は、税理士に相談して明確な基準を決めることが大切です。
税務署に聞くよりも、税理士の判断をもとに運用ルールを統一したほうが安心です。

3. 現金・在庫の管理体制を整える

現金商売ほど“ズレ”が見つかりやすい

現金売上を扱う業種では、「レジ締め金額と帳簿が一致しない」ケースが多く、
税務調査で最も厳しく確認されるポイントです。

  • 毎日の売上締め報告書を保管

  • レジ差異をその都度記録

  • 金庫残高を月末ごとに確認

こうした基本の積み重ねが、「信頼される経理体制」を作ります。

在庫管理も税務調査の盲点

製造・卸売・小売業では、期末在庫の金額が過大・過少に計上されていると指摘されやすいです。
棚卸表や在庫リストを整備し、原価計算を正確に行うことが重要です。

税務調査を“恐れずに”迎えるためのポイント

税務調査は、企業の経理体制を見直す絶好のチャンスでもあります。
次の3つを意識して準備しておきましょう。

準備項目 目的
帳簿・証憑の整理 数字の根拠を明確にする
経費処理の妥当性確認 不要な指摘・追徴を防ぐ
現金・在庫の管理強化 調査での信頼性を高める

よくある質問(Q&A)

Q1:税務調査の連絡は突然来るのですか?

A:原則として、事前に電話または文書で通知があります(無予告の場合は脱税・不正疑い時のみ)。
多くは「〇月〇日に伺いたい」という形で調整可能です。

Q2:調査当日は税理士の立ち会いが必要ですか?

A:はい、可能な限り税理士の同席をおすすめします。
税務署とのやり取りや資料説明を税理士が代行することで、余計なトラブルを防げます。

Q3:調査になると必ず税金を追加で支払う必要はありますか?

A:いいえ、必ず追加で支払う必要があるわけではありません。
調査はあくまで申告内容の確認であり、適正に処理されていれば「是認(問題なし)」となり、追徴税額が発生しないケースも多くあります。

ただし、記帳漏れや処理ミスが見つかった場合には、追加の税金(過少申告加算税や延滞税を含む)が発生することがあります。
そのため、日頃から正確な帳簿管理を行い、税理士に相談しながら申告しておくことで、指摘事項を最小限に抑えることが可能です。

日頃の準備が“慌てない経営”をつくる

税務調査は、決して「悪いことをした会社」だけに来るものではありません。
むしろ、日頃の帳簿や経費処理を丁寧に整えることで、
調査の際にも自信をもって対応できるようになります。

税理士法人ビジョン・ナビでは、
「調査に強い経理体制」づくりをトータルサポートしています。

  • 帳簿整理の見直し

  • 経費処理のルール化

  • 税務調査の事前リハーサル

これらを専門税理士が一社ごとに最適化し、安心して経営に専念できる環境を整えます。

👉 【無料相談はこちら】税務調査対策・経理体制診断を予約する(お問い合わせフォーム)

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。