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予定納税が引き落としできなかったときの対応法|放置NG!正しい対処と防止策を解説

税理士 林遼平

税理士 林遼平

「残高不足だった…」そんなとき、どうしたら?

「予定納税の口座引き落としを設定していたのに、なぜかできていなかった」
「通知書は来ていたけど、口座に残高を入れるのを忘れていた」
こんな経験はありませんか?

中小企業経営者や個人事業主の方にとって、予定納税の引き落とし失敗は意外とよくあるトラブルです。しかしそのまま放置してしまうと、延滞税が発生したり、確定申告時にまとめて納付が必要になったりと、思わぬ負担を招く可能性があります。

この記事では、引き落としできなかったときに取るべき対応手順や、再発防止のコツを丁寧に解説します。

予定納税の引き落としができない理由とは?

もっとも多いのは「口座残高不足」

予定納税は、口座振替を選択している場合、指定日に自動で引き落とされる仕組みですが、引き落とし日に口座残高が足りないと当然ながら処理はできません。

たとえば、引き落とし予定日が7月31日で残高が不足していた場合、そのまま未納となり、再引き落としは行われません。

手続きミス・口座情報の誤りも要注意

  • 引き落とし口座の登録ミス

  • 納税用の届出書(口座振替依頼書)の提出遅れ

  • 銀行側の処理未完了(特に新規登録時)

など、制度上の不備があった場合も引き落としは失敗します。

引き落としできなかったときの対応ステップ

まずは自分で「未納」に気づくことが大切

口座振替ができなかった場合、税務署からの通知や催促がすぐに届くとは限りません。納税義務は納税者自身にあるため、「自分で気づく」ことが重要です。

以下の方法で確認しましょう:

  • 登録口座の通帳を確認

  • 国税庁の「e-Tax」や「国税電子申告・納税システム」で納税履歴を確認

  • 税理士に相談して納付状況を確認

未納分は「すぐに自主納付」すれば問題なし

引き落としができなかった場合でも、その後すぐに自分で納付すれば延滞税のリスクは最小限で済みます。

納付方法は以下のいずれかを選択できます:

  • 金融機関窓口で納付(納付書が必要)

  • e-Taxを利用したオンライン納付

  • コンビニ納付(QRコードが必要)

  • 国税クレジットカードお支払いサイト
    👉 国税庁クレジット納付ページ

延滞税はどれくらいかかる?|ペナルティの仕組み

延滞税は「納期限の翌日から加算」

予定納税の期限を過ぎると、延滞税が以下のように発生します。

期間 延滞税率(年率)
納期限の翌日から2か月以内 年2.4%(変動あり)
2か月超過後 年8.7%(変動あり)

※延滞税は1日単位で加算されますので、1日でも早い納付が金額を抑えるカギです。

納付書がない場合はどうする?

引き落とし失敗に気づいても「納付書が手元にない…」というケースも。そんな時は、税務署に再発行を依頼するか、e-Taxやクレジットカード納付を利用することで納付書がなくても対応できます。

再発防止策|次から忘れないためにやるべきこと

口座残高を「引き落とし日前日までに」必ずチェック

予定納税の引き落とし日は毎年決まっており、以下のスケジュールで実施されます:

納期 引き落とし日(通常)
第1期分(7月) 7月下旬~8月初旬頃
第2期分(11月) 11月下旬~12月初旬頃

カレンダーや会計ソフトでリマインドを設定しておくと安心です。

そもそも不要なら「予定納税の減額申請」も

今年の所得が前年よりも大幅に下がる見込みがある場合は、「予定納税額の減額申請」ができます。

【申請期限の目安】

  • 第1期分:納付期限の5日前まで

  • 第2期分:同上

申請には書類作成が必要となるため、税理士など専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

ポイント整理|引き落としできなかったときの行動チェックリスト

項目 対応内容
① 未納に気づいたら すぐに納付方法を確認し、早急に納付
② 延滞税を防ぎたい できる限り早く支払う(1日単位で加算)
③ 再発防止策 カレンダー登録、口座残高の事前確認
④ 所得が下がるなら 減額申請の検討を忘れずに

よくある質問Q&A

Q1. 引き落としできなかった通知は届きますか?

**A. 通知が届くとは限りません。**税務署側から催促が来る前に、納税者自身で気づき、対応するのが原則です。

Q2. 延滞税はどのくらいの額になりますか?

**A. 延滞税は日数によって変わりますが、数日程度の遅れであれば数百円〜数千円程度で済むこともあります。**ただし長期放置すれば額は膨らみます。

まとめ|うっかりミスでも早期対応で安心!

予定納税の引き落としができなかったとしても、すぐに気づいて納付すれば大きな問題にはなりません。

大切なのは、「引き落としされている」と思い込まず、実際に納付されたかを確認する習慣を持つことです。また、所得減少が見込まれる年には、あらかじめ減額申請を行っておくのも有効です。

「うっかり未納だったかもしれない…」
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そんな時は、税理士法人ビジョン・ナビの無料相談をご利用ください。現状の確認から、今後の納税管理までしっかりサポートいたします。

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税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。