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家族経営の事業承継でトラブルを防ぐためのチェックリスト

税理士 林遼平

税理士 林遼平

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「うちは家族で経営しているから、事業承継もきっとうまくいくだろう」
——そう思っていたのに、いざ承継の段階で家族間の意見対立や相続トラブルが起きるケースは少なくありません。

家族経営だからこそ、「感情」と「数字」を整理しておくことが大切です。
今回は、家族経営の事業承継でトラブルを防ぐための実践チェックリストを、税理士目線でわかりやすくまとめました。

家族経営の事業承継で起こりやすいトラブル

① 後継者をめぐる対立

「長男が継ぐべき」「娘婿の方が経営経験がある」など、後継者の選定で意見が割れることがあります。
この問題を曖昧にしたままにすると、承継後に家族関係が悪化することも。

② 株式・持分の分配でもめる

家族経営では、相続時に自社株をどのように分けるかが重要です。
たとえ兄弟でも、株式の保有割合によって「経営権」をめぐる対立が起こりやすくなります。

③ 財産の不公平感

事業を継ぐ人と継がない人の間で、相続財産のバランスが取れないケースもあります。
「会社は兄が継いだのに、他の兄弟には何もない」という不満が後々まで残ることも。

トラブルを防ぐためのチェックリスト(準備編)

チェック項目 確認ポイント
□ 後継者を早めに決定している 経営方針・性格・社内外の信頼を考慮して選定済みか
□ 経営権と所有権を明確にしている 誰が経営を担い、誰が株を保有するか整理できているか
□ 家族間での話し合いを定期的に実施 感情面も含めた意見共有の場を設けているか
□ 株式や財産の分配方針を文書化 「口約束」ではなく、遺言書や合意書で明文化しているか
□ 会社の財務状況を可視化 貸借対照表や株価の現状を家族全員が把握しているか

トラブルを防ぐためのチェックリスト(実行編)

チェック項目 確認ポイント
□ 自社株評価を把握している 現在の株価と将来の相続税額を試算しているか
□ 贈与・相続税対策を立てている 税負担を分散させる具体策(生前贈与・退職金支給など)があるか
□ 事業承継計画書を作成 承継のスケジュール・手順・関係者を明記しているか
□ 事業承継税制の活用を検討 納税猶予・免除制度を理解しているか
□ 専門家に相談している 税理士・弁護士・司法書士などのサポート体制があるか

家族経営ならではのポイント

感情の整理も「承継準備」の一部

家族間では「言わなくても分かる」と思いがちですが、お金や経営権の話こそ丁寧に話すことが大切です。
税務の話だけでなく、家族の気持ちを共有する場を設けましょう。

経営者の「引き際」を明確に

現経営者がいつまで経営を続け、どの段階で後継者へバトンタッチするのか——。
引退のタイミングを明確にしておくことが、スムーズな承継のカギです。

よくある質問(Q&A)

Q1. 家族間で話し合うとケンカになってしまいます。どうすればいいですか?
A. 専門家を交えた「第三者ファシリテーション」を導入すると冷静な話し合いができます。税理士や中小企業診断士が間に入ることで、数字をベースに公平な判断が可能です。

Q2. まだ後継者を決めていませんが、いつから準備すべきですか?
A. 理想は5〜10年前からの計画的準備です。後継者教育・株式移転・税金対策を段階的に進めることで、トラブルを防げます。

まとめ:数字と家族の気持ち、両方を整理しておくことが鍵

家族経営の事業承継は、「感情の調整」と「財産の整理」の両立が成功のポイントです。
放置すれば、小さな誤解が経営と家族関係の両方に影響しかねません。

ビジョン・ナビでは、

  • 自社株・財産の整理サポート

  • 家族間の承継プラン設計

  • 相続税・贈与税対策の提案

初回無料相談で承っております。

「家族間でもめたくない」
「後継者問題を早めに整理したい」

という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。