経理初心者でもできる月次決算のすすめ― 数字が苦手な経営者でも「経営判断が早くなる」仕組みづくり ―サムネイル画像

経理初心者でもできる月次決算のすすめ

税理士 林遼平

税理士 林遼平

「決算は年1回で十分」と思っていませんか?

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「毎月の数字はなんとなく見ているけれど、正直よく分からない」
「決算は税理士に任せきりで、試算表を見てもピンとこない」

これは、中小企業経営者や個人事業主の方から非常によく聞くお悩みです。
特に経理初心者の方にとっては、「月次決算」と聞くだけでハードルが高く感じられるかもしれません。

しかし実は、月次決算は“完璧”である必要はなく、経理初心者でも十分取り組めるものです。
そして月次決算を習慣化することで、資金繰りの不安が減り、経営判断のスピードが大きく変わります。

この記事では、

  • 月次決算とは何か

  • なぜ経理初心者こそ月次決算をやるべきなのか

  • 無理なく続けるためのポイント

を、専門用語を極力使わず、分かりやすく解説します。

月次決算とは?経理初心者向けにやさしく解説

月次決算は「毎月の経営成績を整理する作業」

月次決算とは、毎月ごとに売上・経費・利益をまとめ、会社の数字を把握することです。
年に1回の決算書とは違い、「今月どうだったか」「先月と比べてどう変わったか」を確認するためのものです。

重要なのは、税務申告用の正確さよりも、
経営に使える数字になっているかという点です。

年次決算との違いを理解しよう

項目 月次決算 年次決算
目的 経営判断・現状把握 税務申告
頻度 毎月 年1回
正確性 7〜8割でOK 100%必要
担当 社内・外注どちらも可 税理士中心

月次決算は「経営の健康診断」。
完璧を目指さず、早く・分かりやすくがポイントです。

なぜ経理初心者こそ月次決算をやるべきなのか

資金繰りの不安を“事前に”察知できる

多くの倒産原因は「赤字」ではなく「資金不足」です。
月次決算を行えば、

  • 売上は出ているのにお金が残らない

  • 支払予定が多い月が見えていない

といった問題に、数か月前から気づくことができます

経営判断が「勘」から「数字」に変わる

「広告を増やすべきか」「人を採用していいのか」
こうした判断を感覚だけで行うのは危険です。

月次決算があれば、

  • 利益率は改善しているか

  • 固定費が増えすぎていないか

といった判断材料が揃い、数字に基づく経営が可能になります。

経理初心者でもできる月次決算の進め方

まずは「毎月同じ流れ」を作る

月次決算を続ける最大のコツは、仕組み化です。

  • 証憑は月ごとにまとめる

  • 締日は毎月同じ日に設定

  • 会計ソフトに早めに入力

この3点だけでも、月次決算のハードルは大きく下がります。

クラウド会計を活用する

freeeやマネーフォワードなどのクラウド会計ソフトを使えば、
銀行口座やクレジットカードと連携し、入力作業を大幅に減らせます。

経理初心者の方ほど、最初からITの力を借りることをおすすめします。

月次決算を続けるためのポイント整理

最低限チェックしたい3つの数字

  • 売上高

  • 経常利益

  • 現金・預金残高

まずはこの3つが分かれば十分です。

よくある失敗例

  • 完璧を求めて手が止まる

  • 毎月やり方が変わる

  • 経営に活かさず「作るだけ」になる

月次決算は「経営のための道具」。
見る・使うことを前提にしましょう。

よくある質問(Q&A)

Q1. 月次決算はどこまで正確である必要がありますか?

A. 税務申告ではないため、7〜8割の精度で問題ありません。スピードと継続が大切です。

Q2. 経理担当がいなくてもできますか?

A. 可能です。記帳代行や税理士のサポートを活用すれば、経営者の負担を最小限にできます。

Q3. 個人事業主でも月次決算は必要ですか?

A. はい。事業規模に関係なく、資金管理と利益把握に大きな効果があります。

まとめ|月次決算は「経営を楽にする習慣」です

月次決算は、経理が得意な人のためのものではありません。
むしろ、数字が苦手な経営者こそ取り組む価値があります

「何から始めればいいか分からない」
「今のやり方で合っているか不安」

そんな方は、ぜひ一度、専門家に相談してみてください。

税理士法人ビジョン・ナビでは、
経理初心者の方向けに、月次決算の仕組みづくりからサポートしています。
初回無料相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

👉 国税庁:確定申告・帳簿保存の基礎
https://www.nta.go.jp/

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。