30人規模の会社で起こる業務の非効率を解消する方法

税理士 林遼平

税理士 林遼平

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

社員数が20〜30人規模になると、業務の非効率や属人化が顕著に現れるケースが増えてきます。

  • 書類や情報の二重入力が多い

  • 同じ作業を複数人が重複して行う

  • 重要な業務が特定社員に集中し、負担が偏る

こうした非効率は、生産性の低下・社員の負担増・離職リスクにつながります。

この記事では、30人規模の中小企業で発生しやすい業務の非効率を整理し、具体的に解消する方法を解説します。

30人規模の会社で非効率が起こる理由

  1. 業務フローが曖昧

    • 誰が何をいつまでにするか明確でない

    • 情報共有ルールが統一されていない

  2. 属人化が進んでいる

    • 特定の社員しかできない仕事が多い

    • その社員が休むと業務が止まる

  3. ツールやシステムが未整備

    • Excelや紙で作業を管理

    • 情報がバラバラで集計や確認に時間がかかる

👉 中小企業庁も、業務効率化とIT活用による生産性向上を中小企業の課題として指摘しています(中小企業庁:生産性向上支援)。

業務効率化の具体的なステップ

ステップ① 業務の棚卸しと可視化

  • 社内業務をすべてリスト化

  • 作業時間や担当者を明記

  • 「どこで手間がかかっているか」「誰に依存しているか」を明確化

可視化することで、非効率の原因が客観的に見えてきます。

ステップ② 標準化・マニュアル化

  • 作業手順をマニュアル化

  • チェックリストや動画マニュアルも活用

  • 新人でも理解できる仕組みを作る

標準化によって属人化を防ぎ、誰でも同じクオリティで作業できるようになります。

ステップ③ ITツール・システム活用

  • クラウド会計ソフトで経理業務を自動化

  • 勤怠・給与管理システムで人事業務を効率化

  • タスク管理ツールで進捗・期限を可視化

ツール導入は初期コストがかかりますが、長期的には時間と人件費の大幅削減につながります。

👉 厚生労働省も、クラウドや電子申請による業務効率化を推奨しています(厚生労働省:電子申請活用)。

ステップ④ 業務分担とクロストレーニング

  • 同じ業務を複数人で担当可能にする

  • ジョブローテーションでスキルを共有

  • サブ担当をつけて業務が止まらない体制に

これにより、特定社員への依存を減らし、業務の属人化を解消できます。

ステップ⑤ 定期的な見直しと改善

  • 半年〜1年ごとに業務フローやツール活用状況をチェック

  • 改善案を社員から吸い上げて運用を修正

  • KPIや成果指標を設定して効果を可視化

改善のサイクルを回すことで、非効率を長期的に解消できます。

成功事例:製造業(社員30名)

課題

  • 発注・在庫管理・経理がそれぞれ属人化

  • 情報共有が遅く、業務停滞が頻発

改善策

  • 業務棚卸しと標準化

  • クラウド会計・在庫管理システム導入

  • 部署間でクロストレーニングを実施

成果

  • 月次作業時間が30%短縮

  • 情報共有がスムーズになり、意思決定も迅速化

  • 社員の負担が減り、離職リスクも軽減

よくある質問(Q&A)

Q1. 小規模でもツール導入は本当に効果がありますか?
A. 社員数が20〜30人でも、属人化や手作業が多ければ十分に効果があります。費用対効果は高いです。

Q2. 業務分担の見直しは抵抗が出そうですが…
A. 小さなステップから始め、現場の意見を反映することでスムーズに運用できます。

まとめ|非効率を解消して生産性を高める

30人規模の中小企業では、業務の非効率や属人化が放置されやすいものです。
しかし、業務棚卸し・標準化・IT活用・分担・改善サイクルを組み合わせることで、効率化は十分可能です。

税理士法人ビジョン・ナビでは、業務効率化やシステム活用に関する無料相談を承っています。
まずはお気軽にご相談ください。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。