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予定納税額とは?対象者・いくらから必要か・計算方法をわかりやすく解説

吉本亘

吉本亘

予定納税額とは、前年の所得税額などをもとに、その年の所得税及び復興特別所得税の一部をあらかじめ納めるときの金額です。通知が届くと、「自分は対象なのか」「いくら払うのか」「どうやって決まるのか」が分かりにくく、不安になりやすいものです。特に、中小企業経営者や個人事業主、会社経営をしながら個人でも所得がある方にとっては、個人の予定納税が資金繰りや納税管理に影響することもあります。

結論からいうと、予定納税は前年分の所得金額や税額などをもとに計算した予定納税基準額が15万円以上になる人が対象です。原則として、その基準額の3分の1相当額を第1期分と第2期分として納めます。まずは「予定納税額とは何か」「自分は対象か」「いくらから必要か」を整理すると、全体像がつかみやすくなります。

予定納税額とは?まず仕組みを簡単に整理

予定納税額は「前払い分の税額」

予定納税は、その年の所得税を先に一部納めておく制度です。追加で課税される税金というより、確定申告で最終精算する前払い分と考えると分かりやすいです。実際に、予定納税で納めた金額は、その年分の確定申告で差し引いて精算します。前年の所得や税額が一定以上ある人は、確定申告のときに一括で負担が集中しないよう、年の途中で分けて納付する仕組みになっています。

今年の収入ではなく「前年」が基準

予定納税で勘違いしやすいのは、今年の売上や収入ではなく、前年の申告内容が基準になる点です。たとえば、前年に利益が大きかった個人事業主や、不動産収入・副業収入が増えた会社代表者は、今年の業績が落ち着いていても通知が届くことがあります。「今年はそんなに稼いでいないのに、なぜ通知が来るのか」と感じるのは、この仕組みによるものです。

予定納税の対象者は?会社員でも必要になる?

基本は「予定納税基準額15万円以上」

予定納税の対象になるかどうかは、職業で決まるわけではありません。国税庁は、その年の5月15日現在で確定している前年分の予定納税基準額が15万円以上となる人を対象としています。個人事業主だけでなく、会社員でも副業や不動産収入など給与以外の所得があり、前年分の申告納税額が大きければ対象になります。

中小企業経営者や法人代表も無関係ではない

「法人を経営しているから、個人の予定納税は関係ない」と思われることもありますが、法人代表でも個人として不動産収入、配当、役員報酬以外の副収入があれば、個人の所得税の予定納税が発生することがあります。会社の資金繰りとは別に、代表者個人の納税管理が必要になるため、法人顧客の文脈でも予定納税は無関係ではありません。ここが整理できていないと、会社の経理は整っていても、代表者個人の納税で不安が残ることがあります。

予定納税額はいくらから必要?

15万円がひとつの基準

予定納税の通知が来るかどうかは、予定納税基準額が15万円以上かどうかで判断されます。ここでいう予定納税基準額は、原則として前年分の申告納税額と同じ考え方で計算されます。つまり、「前年の所得税額がある程度大きかった人」が対象になりやすいと考えると分かりやすいです。

実際に払うのは原則2回

予定納税額は、通常その基準額の3分の1相当額を第1期分、もう3分の1相当額を第2期分として納めます。したがって、通知が来たからといって一度に全額を払うわけではありません。まずは通知書やe-Tax上の案内で、第1期分・第2期分それぞれの金額を確認することが大切です。詳しい金額確認は、別記事の「予定納税の金額確認方法」や「予定納税額の計算方法と確認手順」で深掘りできます。

予定納税の金額確認方法|納付書・e-Tax・マイナポータルの使い方

予定納税額の計算方法と確認手順|概算計算で簡単チェック

予定納税額の計算方法

基本は「前年の税額ベース」

予定納税額の計算の基本は、前年分の税額をもとに予定納税基準額を出し、その3分の1相当額を納めるという考え方です。細かな調整や例外はありますが、入口記事としては「前年の申告税額がベース」と押さえておけば十分です。だから、今年の所得だけ見て判断するとズレることがあります。

自分でざっくり確認するときの見方

ざっくり確認したいときは、まず前年の確定申告書と、税務署からの通知書、e-Taxの案内を見ます。個人事業主なら前年の所得税額、不動産所得や副業がある会社員なら、給与以外の所得がどれだけあったかを見直すと整理しやすくなります。もし「会社員なのに通知が来た理由が分からない」という場合は、会社員向けの記事もあわせて読むと、自分が対象になった背景を理解しやすくなります。

会社員なのに予定納税の通知が来たのはなぜ?副業・不動産収入がある人の確認ポイント

よくある勘違いと注意点

「会社員だから関係ない」は誤解

予定納税は個人事業主だけの制度ではありません。前年に給与以外の所得があり、申告納税額が一定以上になっていれば、会社員でも対象になります。副業、不動産収入、配当などがある場合は、給与から税金が引かれていても、それだけで完結しないことがあります。

「今年は収入が減ったから払わなくていい」とは限らない

今年の業績や収入が前年より落ちていても、通知は前年基準で届きます。ただし、今年の所得が大きく減る見込みなら、予定納税額の減額申請を検討できる場合があります。減額申請には提出時期があり、第1期分と第2期分では期限も異なるため、通知が来たら放置せず早めに整理することが大切です。

よくある質問

予定納税額とは何ですか?

前年の所得税額などをもとに、その年分の所得税及び復興特別所得税を前もって納めるときの金額です。最終的には確定申告で精算します。

予定納税の対象者は誰ですか?

原則として、その年の5月15日現在で確定している前年分の予定納税基準額が15万円以上の人です。個人事業主だけでなく、会社員でも副業や不動産収入があれば対象になることがあります。

予定納税額はどうやって計算しますか?

原則として、予定納税基準額の3分の1相当額を第1期分と第2期分として納めます。ベースになるのは前年の申告内容です。

予定納税額が高すぎるときはどうすればいいですか?

今年の所得が前年より大きく減る見込みなら、減額申請を検討できる場合があります。まずは通知書と今年の見込みを整理し、必要に応じて早めに手続きを確認するのが安全です。

まとめ

予定納税額とは、前年の所得税額などをもとに決まる前払い分の税額です。対象者かどうかは、原則として予定納税基準額が15万円以上になるかで決まります。中小企業経営者や個人事業主だけでなく、法人代表や会社員でも、副業や不動産収入があれば無関係ではありません。

まずは
「予定納税額とは何か」
「自分は対象か」
「いくらから必要か」
を整理し、そのうえで詳しい確認方法や個別ケースは関連する詳細記事で深掘りしていくのがおすすめです。判断に迷う場合は、代表者個人の納税も含めて税務・経理体制全体を整理すると、不安を減らしやすくなります。

吉本亘
執筆者:吉本亘
吉本亘(よしもととおる)税理士法人ビジョン・ナビ所属。入社以来、税理士補助として中小企業・個人事業主の月次処理や決算・申告関連のサポート業務に携わる。数字を「経営判断に使える形」に整えることを意識し、実務の現場で起こりやすい勘違いやつまずきポイントを、わかりやすく整理して伝えることを重視している。現在は業務と並行して、事務所ブログの企画・改善にも取り組んでいる。