間違えやすい記帳の注意点10選【経営者向け】

税理士 林遼平
こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!
「記帳は担当者に任せているけれど、正しく処理できているか不安…」
「税務調査で指摘されやすいポイントを知りたい」
中小企業や個人事業主にとって、記帳ミスは税額の増加・資金繰りの誤判断・税務リスクにつながる重要な問題です。
実際、多くの企業で
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勘定科目の誤り
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領収書の紛失
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売上・経費の計上漏れ
といったトラブルが日常的に起こっています。
そこで本記事では、中小企業経営者が特に注意したい
**「間違えやすい記帳の注意点10選」をわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、今日からすぐにミスを減らすチェックが可能になります。
■ 間違えやすい記帳の注意点10選
① 個人の支出と事業の支出を混同してしまう
最も多いミスのひとつです。
事業用の支払いをプライベートカードで行うと、記帳が複雑になり、漏れの原因になります。
【対策】
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事業用の銀行口座・クレジットカードを分ける
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個人立替は必ず「事業主貸・事業主借」で処理
② 領収書・レシートの保存漏れ
「領収書をもらい忘れた」「PDF請求書を保存していなかった」
これらは税務調査で必ず問題になります。
【対策】
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スマホで撮影してクラウド保存
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電子帳簿保存法の要件を意識(国税庁:電子帳簿保存法)
③ 売上計上のタイミングがバラバラ
“請求日”か“入金日”かで迷い、売上時期がずれるケースが多いです。
特に継続契約や役務提供では注意が必要です。
【対策】
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会計方式(発生主義or現金主義)を明確に
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社内で統一ルールをつくる
④ 交通費の個人利用混入
公共交通機関利用は記録が曖昧になりがち。
「仕事で行ったのか、プライベートなのか」が不明確だと税務リスクがあります。
【対策】
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出張日報・メモを残す
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定期区間の扱いに注意
⑤ 勘定科目をなんとなく選んでしまう
「雑費」「消耗品費」「会議費」に分類が偏るケースがよくあります。
大雑把な分類は、経営分析の精度も下げます。
【対策】
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科目を絞り込み、使い分けルールを整備
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迷う場合は税理士に相談
⑥ 現金払いの記録漏れ
レシートが小さくて紛失しやすい現金は、ミスが発生しやすい典型例です。
【対策】
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なるべくキャッシュレスに統一
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現金払いは即日入力ルールを設定
⑦ 未払い費用の計上漏れ
支払は翌月でも、当月の経費になるケースがあります(例:外注費・地代家賃など)。
【対策】
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月末に未払いの棚卸しを行う
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契約書・請求書を確認し計上漏れを防止
⑧ 仮払金が溜まり続ける
「とりあえず仮払金」で処理したまま、精算されず残るケースが多いです。
これは税務調査で指摘されることがあります。
【対策】
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毎月末に仮払金をゼロにする運用
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精算書と領収書を必ずセットで保存
⑨ 借入金と売上を間違えて計上
入金だけを見ると、借入金と売上が混ざってしまうことがあります。
【対策】
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銀行口座の明細を定期的に突合
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入金の内容を必ず確認して仕訳
⑩ 資産の購入を全額経費にしてしまう
パソコン・車両・設備などは“固定資産”として処理し、減価償却が必要です。
【対策】
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10万円以上の購入は注意
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法定耐用年数に沿った処理を確認
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税理士によるチェックを活用
ポイント整理
◆ 間違えやすい記帳10項目まとめ
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個人支出と事業支出の混同
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領収書の保存漏れ
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売上計上タイミングのズレ
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交通費のプライベート混入
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勘定科目の誤り
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現金払いの記録漏れ
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未払い費用の計上漏れ
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仮払金の残高整理不足
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借入金と売上の混同
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固定資産の誤処理
◆ ミスを減らす“3つの習慣”
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キャッシュレス化で記録を残す
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電子帳簿保存法に対応したデジタル管理を導入
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月次で税理士にチェックしてもらう
よくある質問(Q&A)
Q1. 記帳ミスが多い場合、何から改善すべき?
A. まずは「支払方法の統一」「領収書の電子化」から取り組むと、ミスが大幅に減ります。
Q2. 固定資産の判断が難しいです。どう決めれば?
A. 基準は金額・用途・耐用年数です。10万円以上は特に注意が必要で、税理士に確認するのが確実です。
Q3. 記帳を外部に任せてもよい?
A. 問題ありません。ただし最終的な責任は経営者にあるため、月次の確認は必ず行いましょう。
まとめ
記帳ミスは、税務リスク・資金繰りの誤り・経営判断の遅れにつながる大きな問題です。
しかし今回紹介した10項目を押さえれば、今日から確実にミスを減らせます。
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