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税理士に相談するタイミングはいつ?実際に多い相談理由ベスト5

税理士 林遼平

税理士 林遼平

はじめに

「税理士には、どのタイミングで相談すればいいのだろう?」
中小企業の経営者や個人事業主の方から、よく聞く疑問のひとつです。

決算や確定申告の直前になってから相談するもの、というイメージを持たれがちですが、実際にはもっと早い段階で相談されるケースも少なくありません。一方で、「こんなことで相談していいのかな」「まだ税理士に頼むほどではないかも」と迷ってしまい、結果的に判断が遅れてしまうこともあります。

この記事では、税理士事務所の実務で実際に多い相談理由ベスト5をもとに、
「どんな場面で相談する人が多いのか」「その背景にはどんな不安があるのか」を整理します。
無理に相談を勧めるのではなく、自分にとって今が相談タイミングかどうかを考える材料としてお読みください。

税理士に相談する人が多いタイミングとは

「困ってから」ではなく「判断に迷ったとき」が多い

税理士に相談する人の多くは、必ずしもトラブルが起きてから来るわけではありません。
実務上よくあるのは、「この判断で合っているのか分からない」「後から問題にならないか不安」といった判断に迷う場面です。

例えば、
・経費にしてよいか微妙な支出が出てきた
・売上が伸び、税金がどれくらい増えるのか見通せない
・人を雇う予定があり、税務や労務の影響が気になる

こうした状況では、間違った選択をしてしまうリスクを避けるために、早めに確認したいという心理が働きます。

「税務だけでなく経営全体の節目」で相談が増える

もう一つの特徴は、税金そのものよりも経営の節目で相談が増える点です。
創業、法人化、事業拡大、設備投資など、会社の動きが変わるタイミングでは、税務の扱いも変わることが多くなります。

こうした節目では、税務処理だけでなく、資金繰りや将来の負担も含めて考える必要があるため、「一度整理しておきたい」という目的で税理士に相談するケースが目立ちます。

実際に多い相談理由ベスト5

第1位:決算・確定申告前の不安

最も多いのは、やはり決算・確定申告を控えたタイミングでの相談です。
「このまま進めて問題ないか」「税金が想定より高くなりそう」といった不安は、規模を問わず多くの事業者が感じています。

特に、売上が前年より大きく増えた年や、初めての決算・確定申告では、過去の経験が通用しないため不安が大きくなりがちです。

第2位:法人化(法人成り)を検討するとき

個人事業主の方から非常に多いのが、法人化の相談です。
「売上がいくらくらいになったら法人化すべきか」「税金は本当に安くなるのか」といった疑問は、ネット情報だけでは判断が難しい部分です。

実際には、税金だけでなく、社会保険や事務負担なども含めて考える必要があるため、具体的な数字をもとに確認したいという理由で相談されることが多くなります。

よくある見落とし・勘違いポイント

「税理士=申告代行だけ」と思ってしまう

税理士は申告書を作る人、というイメージを持たれがちですが、実際の相談内容はそれだけではありません。
将来の税負担を見据えた判断や、選択肢の整理を求めて相談されるケースが多くあります。

「申告の時期じゃないから相談するほどでもない」と思っているうちに、選択肢が限られてしまうこともあるため、早めの情報整理が役立つ場面もあります。

「後から修正できる」と思い込んでしまう

税務の判断の中には、後から修正が難しいものもあります。
例えば、法人化のタイミングや資産の扱いなどは、事後的に修正すると余計な手間や税負担が発生することもあります。

そのため、「確定してから相談する」のではなく、「決める前に確認する」という考え方が重要になります。

税理士相談を検討する際のポイント整理

こんなサインがあれば、一度情報収集を

以下のような状況に当てはまる場合、税理士に限らず専門家の意見を確認する人が多い傾向があります。

・売上や利益が大きく変動している
・これまでと違う取引や投資を検討している
・法人化や事業拡大を考えている
・税金の仕組みがよく分からず不安を感じている

これらは「今すぐ相談すべき」というサインではありませんが、判断材料を集めるタイミングとしては一つの目安になります。

情報収集の一環として相談するという考え方

税理士への相談は、必ずしも依頼や契約を前提にする必要はありません。
「考え方を整理する」「選択肢を知る」という目的で話を聞くことで、結果的に自社で判断できるケースもあります。

国税庁の公式情報(https://www.nta.go.jp )などを確認しつつ、分かりにくい部分だけ専門家に確認する、という使い方も一つの方法です。

よくある質問Q&A

税理士にはどれくらい早い段階で相談していいですか?

「早すぎて迷惑」ということは基本的にありません。
多くの相談は、具体的な数字が固まる前の段階で行われています。判断に迷い始めた時点が、一つの目安になります。

相談すると必ず契約しなければなりませんか?

相談=契約ではありません。
話を聞いたうえで、自社で対応する選択をされる方も多くいらっしゃいます。

まとめ

税理士に相談するタイミングは、決算や申告の直前だけとは限りません。
実際には、判断に迷ったときや経営の節目で相談されるケースが多く見られます。

重要なのは、「相談すべきかどうか」で悩み続けるよりも、
判断材料を集める手段の一つとして専門家を活用するという視点です。

もし情報を調べても判断に迷う場合は、税理士に確認するという選択肢もあります。
自社にとって最適なタイミングを見極める参考になれば幸いです。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。