出納帳の正しいつけ方と注意点― 小さなミスが「税務リスク」と「資金繰り悪化」につながる前に ―サムネイル画像

出納帳の正しいつけ方と注意点

税理士 林遼平

税理士 林遼平

出納帳、なんとなく付けていませんか?

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「現金の動きは一応メモしている」
「会計ソフトに入れているから、出納帳は意識していない」

中小企業経営者や個人事業主の方から、こうした声をよく耳にします。
しかし、出納帳は経理の中でも特に重要な帳簿であり、つけ方を間違えると税務調査や資金管理に大きな影響を与えます。

特に、

  • 現金商売がある

  • 経理担当者がいない

  • 経営者自身が経理を兼務している

こうした事業では、出納帳の正確さが会社の信頼性そのものになります。

この記事では、出納帳の基本から正しいつけ方、よくある注意点まで、経理初心者の方にも分かりやすく解説します。

出納帳とは?まず押さえたい基本知識

出納帳は「お金の動き」を記録する帳簿

出納帳とは、
現金や預金の入出金を日付順に記録する帳簿です。

主に、

  • 現金出納帳

  • 預金出納帳

の2種類があります。

「いくら使ったか」ではなく、
「いつ・いくら・何のためにお金が動いたか」
を明確にするのが目的です。

なぜ出納帳が重要なのか

出納帳が正しくつけられていないと、

  • 現金残高が合わない

  • 帳簿と実際の残高がズレる

  • 税務調査で不信感を持たれる

といった問題が起こります。

国税庁も、帳簿保存の重要性を明確に示しています。
参考:国税庁「帳簿の記載・保存」
https://www.nta.go.jp/

出納帳の正しいつけ方【基本ステップ】

ステップ① 入出金は「必ずその都度」記録する

出納帳で最も大切なのは、
後回しにしないことです。

  • レジ締め後

  • 現金支払いをした直後

  • 入金を確認したタイミング

で、必ず記録しましょう。

まとめて記帳すると、

  • 金額の記憶違い

  • 使途不明金

が発生しやすくなります。

ステップ② 摘要欄は具体的に書く

摘要欄には、
「消耗品費」ではなく
「事務用品購入(〇〇文具店)」
のように、第三者が見ても分かる内容を記載します。

税務調査では、
「これは何のお金ですか?」
と必ず確認されるポイントです。

出納帳で特に多い注意点とミス

現金残高が合わないまま放置している

「数百円ズレているけど、そのまま」
これは非常に危険です。

ズレの原因としては、

  • 記入漏れ

  • 二重計上

  • 私的支出の混入

などが考えられます。

ズレは必ず原因を確認し、修正する
これが出納帳の基本です。

プライベートと事業のお金を混ぜている

経営者が現金を立て替えたり、
事業用現金を私的に使ったりすると、出納帳は一気に分かりにくくなります。

  • 事業用財布を分ける

  • 立替金・役員借入金で処理する

など、ルールを決めて運用しましょう。

出納帳を正しく保つためのポイント整理

押さえておきたいチェックリスト

  • □ 入出金を都度記録している

  • □ 摘要が具体的に書かれている

  • □ 現金残高と実残高を定期的に確認

  • □ 私的支出を混ぜていない

  • □ 領収書・証憑と紐づいている

1つでも不安があれば、見直しのサインです。

よくある質問(Q&A)

Q1. 出納帳は手書きでも問題ありませんか?

A. 問題ありません。ただし、修正履歴が残る会計ソフトの方が、税務上は安心です。

Q2. 現金取引が少なくても必要ですか?

A. はい。少額でも現金を扱う場合は、現金出納帳の作成が望ましいです。

Q3. 出納帳と会計ソフトの残高が合いません

A. 記帳漏れや二重入力が原因のことが多いです。早めに専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ|出納帳は「会社のお金を守る帳簿」です

出納帳は、
単なる記録ではなく、会社のお金を守るための基本ツールです。

正しくつけることで、

  • 経理ミスの早期発見

  • 税務調査への備え

  • 資金繰りの見える化

が実現できます。

「今の出納帳、これで大丈夫?」
「現金管理に不安がある」

そんな方は、ぜひ税理士法人ビジョン・ナビの無料相談をご活用ください。
出納帳のチェックから、経理体制全体の見直しまで、分かりやすくサポートいたします。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。