中小企業ができる節税策10選 ― 「合法・実務ベース」で今日から見直せる税金対策 ―サムネイル画像

中小企業ができる節税策10選

税理士 林遼平

税理士 林遼平

節税は「大企業だけの話」だと思っていませんか?

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「うちは規模が小さいから、節税できることなんて限られている」
「税金は利益が出た証拠。仕方ないと諦めている…」

こうした声を、中小企業の経営者からよく耳にします。しかし実際には、中小企業だからこそ使える節税策は数多く存在します。
問題は、「知らない」「後回しにしている」ことで、本来払わなくてよい税金を払い続けてしまっている点です。

この記事では、

  • 中小企業が実務で使いやすい節税策

  • 税務調査でも否認されにくい正当な方法

  • 今すぐ見直せるポイント

を厳選して 10個 ご紹介します。
「税金をコントロールできる経営者」になるための第一歩として、ぜひご活用ください。

節税策①〜③|まずは「基本」を徹底する

節税策① 経費計上の漏れをなくす

最も基本で、かつ効果が大きいのが経費の計上漏れ防止です。

  • 会議費・交際費

  • 消耗品費

  • 通信費・クラウドツール利用料

「少額だから」と処理していない支出が、年間で見ると大きな差になります。
経費は“多く入れる”ことより、正しく漏れなく入れることが重要です。

節税策② 減価償却の方法を見直す

高額な設備や車両は、一括経費ではなく減価償却となります。
この償却方法や耐用年数の選択次第で、当期の税負担が変わることもあります。

特に中小企業では、少額減価償却資産の特例(30万円未満)の活用が重要です。

節税策③ 役員報酬の金額・時期を最適化する

役員報酬は、法人税と所得税のバランスを考える必要があります。
期中で自由に変更できないため、期首の設計が非常に重要です。

「とりあえず去年と同じ」は、節税の観点では要注意です。

節税策④〜⑥|中小企業ならではの制度を使う

節税策④ 交際費の損金算入ルールを理解する

中小企業(資本金1億円以下)であれば、
年間800万円までの交際費を損金算入できます。

「これは交際費になるのか?」という判断を誤ると、
不要に税金を多く払っているケースも少なくありません。

節税策⑤ 欠損金(赤字)を繰り越す

法人の赤字は、最大10年間繰り越しが可能です。
一時的な赤字も、将来の節税につながる重要な資産と考えましょう。

節税策⑥ 中小企業倒産防止共済を活用する

中小企業経営者にとって非常に使い勝手の良い制度が、経営セーフティ共済です。

  • 掛金は全額損金

  • 最大800万円まで積立可能

  • 万一の資金繰り対策にもなる

節税とリスク対策を同時に行える、代表的な制度です。

節税策⑦〜⑩|中長期で差がつく実践的対策

節税策⑦ 生命保険を「税務目線」で設計する

法人契約の生命保険は、

  • 保障

  • 退職金準備

  • 節税

を同時に考える必要があります。
「勧められたから加入」は危険で、税務上の扱いを理解した設計が重要です。

節税策⑧ 消費税の課税・免税の判定を見直す

消費税は、課税事業者になるタイミングで大きな差が出ます。
売上が伸びてきた企業ほど、事前のシミュレーションが不可欠です。

👉 国税庁|消費税のしくみ

節税策⑨ 決算前に利益予測を行う

決算直前に慌てて対策をしても、できることは限られます。
決算2〜3か月前の利益予測が、節税成功の分かれ目です。

節税策⑩ 税理士と「節税前提」で打ち合わせをする

節税は、申告直前ではなく日常の経営判断と密接に関係します。
数字を共有しながら進めることで、継続的な節税が可能になります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 節税をすると税務調査で不利になりますか?

A. 適法な節税であれば問題ありません。むしろ、帳簿や根拠が明確な会社ほど税務調査リスクは低くなります。

Q2. 自社に合う節税策はどう選べばいいですか?

A. 業種・利益水準・成長段階によって最適解は異なります。画一的ではなく、個別に設計することが重要です。

まとめ|節税は「一度きり」ではなく「継続的な経営戦略」

中小企業の節税は、
✔ 制度を知る
✔ タイミングを逃さない
✔ 専門家と連携する

この3点で大きな差が生まれます。

「もっと早く知っていれば…」と後悔する前に、
今の経営状況で何ができるかを整理することが重要です。

税理士法人ビジョン・ナビでは、

  • 自社に合った節税策の整理

  • 決算前の利益シミュレーション

  • 将来を見据えた税務戦略

について、無料相談を行っています。
節税を「場当たり的」ではなく「経営の武器」にしたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。