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ホールディングスを利用した事業承継|中小企業のスムーズな継承を実現する方法

税理士 林遼平

税理士 林遼平

「そろそろ事業承継を考えたいけど、何から手をつければ...?」

「社長業をそろそろ引き継ぎたい」「子どもに会社を譲りたいけど、税金や手続きが不安」そんなお悩みを抱える中小企業の経営者の方は多いのではないでしょうか?

最近では、持株会社(ホールディングス)を活用して、事業承継を円滑に進めるケースが増えています。この記事では、ホールディングスの仕組みや事業承継に活用するメリット・注意点について、税理士の視点からわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、「なぜホールディングス化が有効なのか」「自社に適した方法なのか」の判断材料を得ることができます。


ホールディングスとは?事業承継にどう活かす?

ホールディングス(持株会社)の基本的な仕組み

ホールディングスとは、他の会社の株式を保有することでグループ全体を管理・統括する会社のことです。事業活動を直接行わず、グループ会社の経営をサポートする役割を担います。

なぜホールディングスが事業承継に有効なのか

ホールディングスを設立しておくと、会社の株式をまとめて管理できるようになり、相続や贈与時の手続きがスムーズになります。また、持株会社を設立しておくことで、事業ごとの経営判断を分離しやすくなり、事業承継のリスクを抑える効果も期待できます。


ホールディングスを活用するメリットと注意点

主なメリット

  • 節税効果:株式の評価額を下げられる場合があり、相続税対策につながる

  • 意思決定の明確化:親会社と子会社で役割が分かれるため、経営のスピードが上がる

  • 後継者への段階的な承継:子会社の経営を任せることで、スムーズな世代交代が可能に

注意すべきポイント

  • 設立には手間と費用がかかる(登記費用、専門家報酬など)

  • 節税目的と見なされると、税務上のリスクがある

  • グループ内の経営管理が複雑になる場合も


ホールディングスを活用した事業承継の流れ

ステップ1:事前の現状分析

・株式の保有状況の確認 ・相続人の把握と意向の整理

ステップ2:ホールディングス設立の準備

・持株会社の設立(新設分割・株式移転など) ・必要に応じて専門家に相談

ステップ3:実際の承継と移行支援

・経営権・議決権の移譲 ・後継者育成と社内外への周知


よくある質問(Q&A)

Q1. ホールディングス化すると税務調査のリスクが高まりますか?

A. ホールディングス化自体で調査リスクが高まることはありませんが、節税目的が過度に強調されると、税務署から否認される可能性もあります。税理士等の専門家と事前に相談することが重要です。

Q2. ホールディングス化するにはどれくらい費用がかかりますか?

A. 設立手続きにかかる登録免許税、司法書士・税理士報酬などを含めて、一般的に300万円程度が目安です。規模や方法によって異なりますので、個別見積もりが必要です。


まとめ|まずは専門家に相談を!

ホールディングスを活用した事業承継は、税務面・経営面の双方で多くのメリットがあります。しかし、会社の状況やご家族の意向によっては、他の方法が適している場合もあります。

税理士法人ビジョン・ナビでは、事業承継やホールディングス化に関する無料相談を実施しています。気になる方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。