1. freee・マネーフォワード・弥生の違いを比較
まずは、3つの会計ソフトの主な特徴を整理します。
| 比較項目 | freee会計 | マネーフォワード クラウド会計 | 弥生 |
|---|---|---|---|
| 操作の特徴 | 取引登録を中心とした操作 | 仕訳形式の入力にも対応 | 製品によって操作方法が異なる |
| 銀行・カード連携 | 対応 | 対応 | 対応製品あり |
| 自動仕訳 | 対応 | 対応 | 対応製品あり |
| 周辺業務との連携 | 請求・経費・人事労務など | 請求・経費・給与・勤怠など | 請求・経費・給与など |
| 選ぶ際の注目点 | 操作画面や取引登録の流れ | 会計と周辺業務の連携 | 利用中の製品・クラウド移行の必要性 |
※機能・連携範囲は製品や契約プランによって異なります。弥生については、弥生会計 Nextなどのクラウド製品を含む比較です。

freee会計|経理に詳しくない担当者でも検討しやすい
freee会計は、日々の収入や支出を取引として登録する操作が特徴的なクラウド会計ソフトです。
銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、取引登録を効率化する機能を備えています。また、請求書や経費精算などの関連サービスと組み合わせることも可能です。
例えば、次のような企業では候補になります。
- 経理専任の担当者がいない
- 経営者自身が日々の取引を登録する
- 会計ソフトを初めて導入する
- 請求書発行や経費精算も見直したい
ただし、経理の経験が少なくても、勘定科目や税区分の判断が不要になるわけではありません。
自動化機能を活用する場合も、登録内容を定期的に確認する体制が必要です。
マネーフォワード クラウド会計|会計・給与・勤怠などをまとめて見直したい企業に
マネーフォワード クラウド会計は、銀行口座やクレジットカードとのデータ連携、仕訳入力、試算表の確認などに対応したクラウド会計ソフトです。
特に注目したいのが、マネーフォワード クラウドの関連サービスと組み合わせた運用です。
会計だけでなく、請求書発行、経費精算、給与計算、勤怠管理などを含めて、会社のバックオフィス業務を見直すことができます。
例えば、次のような課題を抱える企業では検討する価値があります。
- 会計・給与・勤怠を別々に管理している
- Excelへの転記や二重入力が多い
- 毎月の給与計算や経理処理に時間がかかっている
- 税理士と会計データを共有しやすくしたい
- 今後、従業員の増加や業務拡大を予定している
ただし、各サービスを導入するだけで、すべての業務が自動化されるわけではありません。
データ連携の設定や、社内での入力・確認ルールを整えることが重要です。
弥生|既存の会計業務を踏まえて導入・乗り換えを検討したい企業に
弥生は、長年提供されている会計ソフトのブランドで、デスクトップ型とクラウド型の製品があります。
クラウド型の弥生会計 Nextでは、銀行やクレジットカードとの連携、取引データの取り込み、AIによる勘定科目の提案などにも対応しています。
そのため、「弥生は手入力が中心」「クラウド連携に弱い」と単純に判断することはできません。
次のような企業では、弥生の利用を継続するか、クラウド製品へ移行するかを含めて検討するとよいでしょう。
- 現在、弥生の会計ソフトを使っている
- これまでの経理方法を大きく変えたくない
- 過去の会計データを引き続き活用したい
- クラウド化によって経理業務を改善したい
既存ソフトから乗り換える際は、移行できるデータの範囲や移行方法を事前に確認する必要があります。
2. 会計ソフトを選ぶ際に確認したい3つのポイント
会計ソフトを比較するときは、機能の多さだけで判断せず、現在の経理業務と導入後の運用を考えることが大切です。

① 実際に入力する担当者が使いやすいか
会計ソフトを使うのは、必ずしも経理経験の豊富な担当者とは限りません。
経営者が入力する会社もあれば、事務担当者が請求書や領収書を整理し、税理士が仕訳を確認する会社もあります。
導入前には、誰がどこまで操作するのかを整理しましょう。
例えば、経理担当者が日常の入力を行う場合と、税理士事務所に記帳を依頼する場合では、必要な操作や機能が異なります。
② 銀行・請求書・給与・勤怠との連携が必要か
経理業務の効率化を考える際には、会計ソフト単体ではなく、周辺業務とのつながりも確認したいところです。
例えば、請求書を作成した後、その売上情報を会計へ反映するためにExcelへ転記している会社もあります。
給与計算についても、勤怠データを集計し、給与ソフトに再入力している場合があります。
こうした作業は、対応するクラウドサービスやデータ連携を組み合わせることで、削減できる可能性があります。
ただし、連携できるデータの範囲や利用料金はサービスによって異なります。
まずは現在の業務で、どこに二重入力や手作業が発生しているのかを整理することが重要です。
③ 導入後の運用まで考えているか
見落とされやすいのが、会計ソフト導入後の運用体制です。
例えば、銀行口座を連携できたとしても、取り込んだ明細の勘定科目や税区分が正しいかを確認する必要があります。
また、同じ取引を手入力と自動連携の両方で登録してしまうと、二重計上が発生することもあります。
導入前に、少なくとも次の点を決めておくとよいでしょう。
- 誰が日々の取引を登録するか
- 誰が登録内容を確認するか
- 領収書や請求書をどこに保存するか
- 月次の締め作業をいつ行うか
- 不明な取引が出た場合、誰に確認するか
会計ソフトは、導入した時点がゴールではありません。
継続して使える運用体制があってこそ、業務効率化につながります。
3. 自社にはどの会計ソフトが合う?状況別の考え方
ここまでの違いを踏まえて、企業の状況別に選び方を考えてみましょう。
ケース① 経理専任の担当者がおらず、初めて会計ソフトを使う
最初に確認したいのは、操作画面の分かりやすさです。
freee会計や弥生会計 Nextは候補になりますが、マネーフォワードも含めて実際の操作画面を確認することをおすすめします。
特に、領収書の登録や銀行明細の処理など、毎月繰り返す作業が無理なくできるかを確認しましょう。
ケース② 会計・給与・勤怠の管理をまとめて効率化したい
この場合は、マネーフォワード クラウドが有力な候補の一つです。
例えば、従業員の勤怠集計から給与計算、給与に関する会計処理までを見直すことで、バックオフィス全体の作業を整理できる可能性があります。
ただし、freeeや弥生にも関連サービスがあります。
自社で改善したい業務を明確にし、利用プラン、対応機能、導入費用を比較することが大切です。
ケース③ 現在の会計ソフトから乗り換えたい
ソフトの変更を検討している場合は、使いやすさだけでなく、データ移行にも注意が必要です。
特に、期中で乗り換える場合は、既に入力した仕訳や期首残高、補助科目などをどのように引き継ぐか確認しましょう。
また、既存の顧問税理士が新しい会計ソフトに対応できるかも重要です。
現在の経理業務に大きな問題がない場合は、無理にソフトを変更する必要がないケースもあります。
4. 会計ソフトの導入で失敗しやすい3つのケース
会計ソフトを導入しても、期待していたほど経理が楽にならないことがあります。
その原因は、ソフトの機能不足だけではありません。
① 銀行連携を設定しただけで安心してしまう
銀行口座やクレジットカードを連携すると、取引明細を自動取得できる場合があります。
しかし、取得した明細が必ず正しい仕訳になるとは限りません。
例えば、借入金の入金や返済、複数の取引が含まれる支払いなどは、適切な会計処理が必要です。
また、手入力と自動連携が重複していないかの確認も欠かせません。
② 勘定科目や部門などの初期設定が整理できていない
導入時の設定は、その後の会計処理に影響します。
例えば、事業部ごとの損益を確認したい企業では、部門設定や入力ルールを事前に検討しておくことが重要です。
また、消費税の税区分や補助科目の使い方が統一されていないと、後から修正が必要になる場合があります。
③ 誰が入力・確認するのか決まっていない
会計ソフトを導入しても、社内の役割分担が曖昧だと、未処理の取引が残ったり、月次決算が遅れたりすることがあります。
自社で記帳するのか、税理士事務所に記帳を依頼するのか、確認だけを依頼するのか。
こうした役割分担も、導入前に整理しておきたいポイントです。
5. 会計ソフト導入を成功させる5つのステップ
クラウド会計ソフトをスムーズに導入するには、次の流れで進めることをおすすめします。

STEP1|現在の経理業務を整理する
まずは、現在使用している会計ソフトやExcel、請求書発行、給与計算、勤怠管理の方法を整理します。
毎月どの作業に時間がかかっているか、二重入力が発生していないかを確認しましょう。
STEP2|自社に合う会計ソフトを選ぶ
操作性、必要な機能、利用料金、税理士との連携方法などを比較し、自社に合うソフトを検討します。
必要に応じて無料体験などを利用し、日常的な操作を確認するのも有効です。
STEP3|初期設定とデータ移行を行う
会計期間、勘定科目、補助科目、税区分、部門、金融機関連携などを設定します。
既存ソフトから移行する場合は、必要な会計データや残高を確認します。
STEP4|社内の運用ルールを決める
誰が入力し、誰が確認するのかを決めます。
領収書の提出方法、請求書の管理方法、毎月の締め日なども、この段階で整理しておくと運用しやすくなります。
STEP5|月次の確認と改善を続ける
運用開始後も、未処理の明細や会計残高、入力内容を定期的に確認します。
問題が発生した場合は、入力ルールや業務の分担を見直し、徐々に自社に合う運用へ改善していくことが重要です。
6. マネーフォワードの導入・運用でお困りならビジョン・ナビへ
会計ソフトを比較した結果、マネーフォワード クラウドの導入を検討しているものの、「何から始めればいいか分からない」「社内だけで設定や運用ができるか不安」という企業もあるのではないでしょうか。
税理士法人ビジョン・ナビでは、マネーフォワード クラウドの導入から、導入後の運用まで支援しています。
マネーフォワードの導入実績は50社以上。
会計だけでなく、請求書・給与・勤怠などのサービスについても、会社の状況に応じた導入・運用支援に対応しています。
また、税理士法人としての税務・会計支援に加え、社労士事務所との連携により、給与計算や労務に関するご相談にも対応可能です。
例えば、次のようなお悩みをご相談いただけます。
- マネーフォワードを導入したいが、初期設定が難しい
- 現在使っている会計ソフトから乗り換えたい
- 銀行連携や自動仕訳の設定・確認方法が分からない
- 会計・給与・勤怠をまとめて見直したい
- 導入後の記帳や給与計算も依頼したい
- 経理担当者の負担を減らすために業務を外注したい
大切なのは、会計ソフトを導入すること自体ではなく、導入した後に会社の業務が無理なく回ることです。
ビジョン・ナビでは、現在の業務内容や社内体制を踏まえて、必要な支援内容をご案内しています。
マネーフォワードの導入・運用をご検討中の方へ
初期設定や会計ソフトの乗り換え、導入後の運用方法など、お困りのことはありませんか?
ビジョン・ナビでは、現在の経理業務や社内体制に合わせた導入・運用支援を行っています。
7. よくある質問
Q1. freeeとマネーフォワードはどちらがおすすめですか?
どちらが適しているかは、経理担当者の経験や業務内容によって異なります。
日々の取引登録の操作性を重視する場合はfreee、会計・給与・勤怠などの業務連携を重視する場合はマネーフォワードが比較候補になります。
ただし、どちらも幅広い機能を備えているため、実際の操作方法や必要な機能を確認したうえで判断することが大切です。
Q2. クラウド会計を導入すれば、経理業務はすべて自動化できますか?
すべてを自動化できるわけではありません。
銀行明細の取得や仕訳候補の作成などを効率化できる一方、会計処理の確認、証憑の管理、未処理取引の確認などは引き続き必要です。
Q3. 会計ソフトの導入にはどのくらい費用がかかりますか?
会計ソフトの利用料金は、製品やプラン、利用する機能によって異なります。
また、初期設定やデータ移行、操作説明などを専門家に依頼する場合は、別途費用が発生することがあります。
単純な月額料金だけでなく、導入作業や運用にかかる負担も含めて比較しましょう。
Q4. 今の顧問税理士を変えずに会計ソフトだけ乗り換えられますか?
可能な場合があります。
ただし、会計データの共有方法や、顧問税理士が対応しているソフトを事前に確認しておくことが大切です。
会計ソフトを変更する前に、現在の顧問税理士へ相談することをおすすめします。
Q5. マネーフォワードを導入した後、記帳や給与計算も依頼できますか?
ビジョン・ナビでは、マネーフォワードの導入支援だけでなく、導入後の記帳、給与計算、経理アウトソーシングなどにも対応しています。
会社の業務内容やご希望に応じて支援方法をご案内していますので、導入後の運用についてもご相談ください。
まとめ|会計ソフトは「導入後に使い続けられるか」で選ぼう
freee・マネーフォワード・弥生には、それぞれ異なる特徴があります。
会計ソフトを選ぶ際は、操作性や利用料金だけでなく、自社の経理体制や給与・勤怠などの関連業務、税理士との連携まで確認することが大切です。
特に、経理業務を効率化したい企業では、現在の業務を整理し、導入後の運用方法まで考えておくことで、ソフト選びの失敗を減らすことにつながります。
税理士法人ビジョン・ナビでは、マネーフォワード クラウドの導入から運用までサポートしています。
「自社に合う運用方法が分からない」「クラウド会計を導入して経理の負担を減らしたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。
