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税金の計算が合っているか不安なときに確認すべきポイント

税理士 林遼平

税理士 林遼平

はじめに

「この税金の金額、本当に合っているのだろうか」
「自分で計算したけど、どこか間違っていないか不安…」

中小企業経営者や個人事業主の方から、決算や確定申告の時期になると、こうした声をよく耳にします。
税金は金額が大きくなりやすく、計算方法も複雑なため、「合っているはず」と思いながらも、どこか引っかかりを感じる方は少なくありません。

この記事では、

  • 税金の計算がズレやすいポイント

  • 自分で確認できる基本的なチェック視点

  • 実務でよくある勘違い

を整理し、「不安を感じたときに何を見直せばよいか」を分かりやすく解説します。

税金の計算がズレやすい理由とは

税額は「利益×税率」では決まらない

税金の計算というと、「利益に税率をかければ終わり」と思われがちですが、実際はそれほど単純ではありません。
法人税や所得税は、会計上の利益をそのまま使うのではなく、税務上のルールに基づいて調整した金額をもとに計算されます。

例えば、

  • 経費として認められない支出

  • 減価償却の方法の違い

  • 引当金や準備金の扱い

などによって、会計の利益と税務の利益はズレが生じます。この構造自体が、計算不安の原因になりやすいのです。

毎年ルールが少しずつ変わる

税制は毎年のように改正が行われています。
控除額や特例の条件が変わることも多く、「去年と同じ計算をしたつもりでも、今年は合わない」というケースも珍しくありません。

特に中小企業向けの特例や、個人事業主の控除関係は影響を受けやすいため注意が必要です。
(参考:国税庁 https://www.nta.go.jp)

自分で確認できる基本チェックポイント

売上・収入の計上漏れやズレ

税金計算の前提となる売上や収入が正しく計上されていなければ、当然税額もズレます。
よくあるのは、

  • 入金基準と発生基準の混同

  • 年をまたぐ売上の計上時期ミス

  • 副収入の計上漏れ

特に個人事業主の場合、口座が複数あると把握しきれないこともあります。一度、収入の一覧を作って照合するだけでも、安心感は高まります。

経費にできるもの・できないものの整理

「とりあえず経費に入れている」という状態は、税額不安を生みやすい原因です。
私的な支出が混ざっていないか、逆に経費にできるものを漏らしていないか、改めて確認してみましょう。

例えば、

  • 家事関連費の按分

  • 交際費と福利厚生費の区分

  • 少額減価償却資産の扱い

こうした点は、判断が分かれやすく、計算結果に影響しやすいポイントです。

税額計算でよくある勘違いと注意点

控除や特例を「使っているつもり」になっている

青色申告特別控除や中小企業向けの軽減税率など、
「使っているつもりでも要件を満たしていなかった」というケースは実務でよく見られます。

帳簿の保存方法や期限、申請書の提出有無など、形式面の要件を満たしていないと、控除が適用されないこともあります。

税額が増えた=計算ミスとは限らない

前年より税額が増えた場合、
「計算を間違えたのでは?」と感じる方は多いですが、必ずしもミスとは限りません。

  • 利益が増えた

  • 特例が使えなくなった

  • 税率区分が変わった

など、正当な理由で増えているケースもあります。
「なぜ増えたのか」を分解して考えることが重要です。

ポイント整理|不安を感じたときの確認視点

  • 会計の利益と税務の利益は一致しない

  • 売上・収入の計上時期を確認する

  • 経費区分に無理がないか見直す

  • 控除や特例の要件を満たしているか確認

  • 税額増加の理由を冷静に分解する

「合っているか分からない」という不安は、
どこが判断ポイントなのかが見えないことから生まれます。
視点を整理するだけでも、不安はかなり軽減されます。

よくある質問Q&A

Q1. 税金の計算が合っているか、どこまで自分で確認できますか?

売上や経費、控除の有無など、基本的な前提条件は自分でも確認できます。ただし、税務判断が絡む部分は難しく感じやすいです。

Q2. 税額が前年と大きく違う場合、必ず見直すべきですか?

理由が分かれば問題ありません。説明できない増減がある場合は、一度計算過程を確認すると安心です。

Q3. 計算ミスに後から気づいた場合はどうなりますか?

内容によっては修正申告や更正の請求が可能です。早めに状況を整理することが大切です。

まとめ

税金の計算に不安を感じるのは、決して珍しいことではありません。
大切なのは、
「なんとなく不安」で終わらせず、
どこを確認すればよいかを知ることです。

  • 前提となる数字は正しいか

  • 税務上の調整や控除は適切か

  • 増減の理由を説明できるか

これらを整理したうえで、
判断に迷う場合は専門家に確認するという選択肢もある
そのくらいの距離感で考えてみるとよいかもしれません。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。