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社員の“給料不満”を放置してはいけない理由

税理士 林遼平

税理士 林遼平

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「最近、社員のモチベーションが下がっている気がする」
「面談で“給料が上がらない”という声をよく聞く」

こうした“給料不満”のサインを感じながらも、
「うちには昇給の余裕なんてない」と見て見ぬふりをしていませんか?

実は、社員の給料不満を放置することは、経営上の重大なリスクです。
最低賃金アップが続く今こそ、数字をもとに冷静に向き合う必要があります。

給料不満が企業経営に与える3つの悪影響

社員の給与に対する不満は、単なる「愚痴」では終わりません。
放置すれば、確実に会社の生産性・利益・採用力に影響します。

① モチベーション低下で生産性が下がる

「どうせ評価されない」「給料が上がらない」と感じた社員は、
仕事のパフォーマンスが下がり、結果として全体の生産性が低下します。
経営者が意図せずとも、社内に「停滞ムード」が広がります。

② 離職・採用コストの増大

不満が続くと、優秀な人材ほど早く辞めます。
さらに採用市場では最低賃金アップに合わせて給与相場が上昇中。
結果として「離職→採用→教育」のコストが増え、経営を圧迫します。

③ 会社の成長エネルギーが失われる

給与不満は、社員の未来への期待を奪います。
「この会社で長く働こう」と思えない職場では、成長の土台が崩れてしまいます。

最低賃金アップが「給料不満」に拍車をかける理由

政府は2020年代中に全国平均最低賃金1,500円を目指しています。
つまり、給与の底上げが“国策”として進むということです。

これは単にパートやアルバイトだけの話ではなく、
正社員の給与テーブル全体を見直す必要が出てくる段階に来ています。

他社の賃上げニュースを社員が目にすれば、
「うちは上がらないの?」という不満が加速。
気づけば“人件費が上げられない企業”が人材を失う時代に突入しています。

給与不満を「チャンス」に変える経営の数字戦略

給料を上げる余裕がないと感じる企業ほど、
まず行うべきは「感覚ではなく、数字で考える」ことです。
経営計画を立て直すことで、賃上げを“できる状態に変える”ことが可能になります。

① 粗利構造を見直す

人件費率を分析し、利益を確保できるラインを明確化。
不要なコストを削ることで、昇給の原資を生み出せます。

② 売上目標を“利益から逆算”する

「いくら売れば、どの程度の昇給が可能か」をシミュレーション。
経営計画に給与戦略を組み込み、社員にも**“数字で伝える”**ことが信頼を生みます。

③ キャッシュフローを意識した賃上げ設計

黒字でも資金が足りなければ昇給は続きません。
キャッシュフロー(資金繰り)を踏まえた給与テーブル設計が、
持続可能な賃上げ戦略の鍵です。

給料不満の本質は「将来への不安」

社員が「給料に不満」と口にする時、
本当に求めているのは“今の額”ではなく、将来への安心感です。

「この会社はちゃんと昇給を考えてくれている」
「頑張れば報われる仕組みがある」

そう感じられるだけで、社員の満足度は大きく変わります。
そのためにも、経営者が数字に基づいた賃上げ戦略の筋道を示すことが不可欠です。

まとめ:給料不満を放置せず、“数字で解決する経営”へ

最低賃金1,500円時代は、すぐそこまで来ています。
社員の給料不満は「コスト」ではなく、「経営改善のサイン」です。

今こそ、数字に基づく経営計画で人件費と利益のバランスを見直し、
社員の満足と会社の成長を両立できる仕組みをつくるタイミングです。

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税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。