経理の内製化 vs 外注化 どちらが得かを比較サムネイル画像

経理の内製化 vs 外注化 どちらが得かを比較

税理士 林遼平

税理士 林遼平

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「経理は社内でやるべき?」「外注した方が効率的?」
多くの中小企業経営者が一度は悩むテーマが、経理の内製化 vs 外注化です。

・人件費を考えると外注した方が安い?
・いや、社内に残した方がスピードが出る?
・属人化も不正も避けたいが、どう判断すべき?

このように、メリット・デメリットがそれぞれあるため、判断が難しいのが実情です。

本記事では、内製/外注の違いをわかりやすく比較し、企業規模や体制別のおすすめパターンまで丁寧に解説します。この記事を読めば、あなたの会社がどちらを選ぶべきかが明確になります。

■ 経理の内製化と外注化の違い

◆ 経理の内製化とは

経理スタッフを自社で雇い、日々の記帳・請求書管理・経費チェックなどを社内で完結する方法です。

【特徴】

  • 自社でスピード重視の対応ができる

  • 社内に知識が蓄積される

  • ただし属人化しやすく、引き継ぎも課題になりやすい

◆ 経理の外注化とは

税理士事務所・経理代行サービスなどに業務を委託する方法です。

【特徴】

  • 専門家が処理するため正確性が高い

  • 人件費を抑えやすい

  • 社内に経理ノウハウが残りにくい

■ 内製化のメリット・デメリット

● 内製化のメリット

1. 社内の状況がすぐに反映される

売上の変動や急ぎの支払など、即対応が可能です。

2. 経営管理のスピードが速い

数字をリアルタイムで見られるため、意思決定が早くなります。

3. 社内にノウハウが蓄積される

経理知識が組織力の向上にもつながります。

● 内製化のデメリット

1. 人件費・教育コストが高い

月給+社会保険、教育コストなど、長期的な負担が大きくなりがちです。

2. 属人化リスクが大きい

担当者が辞めた瞬間に業務が止まるケースが多発。

3. 不正リスクが高まる

一人経理はチェックが働きにくく、不正の温床になりがちです。

■ 外注化のメリット・デメリット

● 外注化のメリット

1. コストを抑えられる

月数万円の固定費で済むため、人件費より安くなるケースが多数。

2. 正確性・安心感が高い

専門家が行うため、ミスや不正のリスクを大幅に軽減できます。

3. 担当者が変わっても業務が継続する

組織としてバックアップがあるため、急に業務が止まる心配がありません。

● 外注化のデメリット

1. 対応スピードは内製より遅い

急ぎの取引にはタイムラグが発生することがあります。

2. 社内にノウハウが蓄積されない

会社独自の経理ルールが育ちにくい点は注意。

3. 業務範囲に限界がある

営業や総務との連携が必要な業務(請求書作成など)は社内対応が必須です。

■ 内製化と外注化のコストを比較

● 内製化のコスト例

  • 経理スタッフの給与:20〜30万円/月

  • 社会保険料:+約15%前後

  • 教育・採用コスト:年間10〜50万円

  • 合計:月25〜40万円+α

● 外注化のコスト例

  • 記帳代行:1〜5万円/月

  • 給与計算:5,000〜2万円/月

  • 月次決算サポート:1〜5万円/月

  • 合計:月2〜10万円程度

※実際の金額は業務量・会社規模により変動します。

■ 中小企業が選ぶべきパターン

◆ 内製化がおすすめの会社

  • 商取引が複雑で、社内事情を理解していないと処理が難しい

  • 日々の出入りが多く、スピード重視

  • 経理部を育てたい企業

◆ 外注化がおすすめの会社

  • 経理担当がいない or 一人経理の状態

  • 属人化リスクを減らしたい

  • 月次決算を安定させたい

  • 人件費を減らしたい

多くの中小企業では、
外注化+一部内製化(ハイブリッド)
が最も効率的です。

 ポイント整理

◆ 内製化 vs 外注化の比較表

項目 内製化 外注化
コスト 高い 低い
スピード 早い 普通
正確性 担当者次第 高い
属人化 起きやすい 起きにくい
ノウハウ蓄積 される されない

◆ 経営者が判断するポイント

  • 取引量は多いか

  • 社内に経理知識はあるか

  • コスト重視か、スピード重視か

  • 属人化を避けたいか

  • 将来経理部を育てたいか

 よくある質問(Q&A)

● Q1. 部分的に外注することは可能ですか?

A. 可能です。請求書発行は内製、記帳や月次締めは外注など、ハイブリッド型が最も一般的です。

● Q2. 外注すると内部の状況がわかりにくくなるのでは?

A. 月次の振り返りミーティングとクラウド会計の共有で、透明性を高く保つことができます。

● Q3. 外注先はどう選べば良いですか?

A. 業務範囲・料金体系・担当者のコミュニケーションを重点に比較することが大切です。

まとめ

経理は企業の“お金の健康状態”を支える重要業務です。
内製化・外注化のどちらが自社に合うかは、企業規模や人材状況で大きく異なります。

「どちらが自社に合うかわからない」
「試算して話だけでも聞いてみたい」
そんな経営者の方は、ぜひ税理士法人ビジョン・ナビの無料相談をご活用ください。
あなたの会社に最適な経理体制をご提案いたします。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。