税理士顧問をつけるメリット|中小企業にとって本当に必要かを考えるサムネイル画像

税理士顧問をつけるメリット|中小企業にとって本当に必要かを考える

税理士 林遼平

税理士 林遼平

 

税理士顧問は本当に必要?

「まだ規模が小さいけど、税理士顧問はつけるべき?」
「顧問料を払うだけのメリットはあるの?」
こうした疑問を持つ中小企業経営者や個人事業主の方は少なくありません。

確定申告だけをスポットで依頼する方法もあれば、月額顧問契約を結ぶ方法もあります。
違いは“継続的に関与してもらうかどうか”です。

この記事では、税理士顧問をつけるメリットと、顧問契約が向いているケース・そうでないケースを整理し、判断材料を提供します。

税理士顧問とは?スポット依頼との違い

顧問契約の基本的な内容

税理士顧問とは、月額などの定額で継続的に税務・会計サポートを受ける契約形態です。

一般的には、

  • 月次試算表の作成・確認
  • 税務相談
  • 決算・申告書作成
  • 税務署対応

などが含まれます。

単発の確定申告と違い、日常的な相談が可能になる点が大きな違いです。

スポット依頼との違い

スポット依頼は、決算や確定申告など必要なタイミングだけ依頼する形です。
費用を抑えやすい一方、日常の相談は原則含まれません。

顧問契約はコストがかかりますが、「困ったときにすぐ相談できる環境」を持てる点が特徴です。

まずは、自社がどこまでのサポートを必要としているかを考えることが重要です。

税理士顧問をつけるメリット

① 税務リスクを早期に防げる

税務は後から修正するほど負担が大きくなります。
例えば、消費税の判定ミスや役員報酬の設定誤りなどは、事前に気づけば防げるケースが多いです。

税理士顧問がいれば、

  • 月次段階でのチェック
  • 早期の軌道修正

が可能になります。

税務調査への備えという意味でも、日頃から数字を整理しておくことは大きなメリットです。

② 経営判断が数字ベースになる

顧問税理士がいると、毎月の試算表をもとに経営の状況を確認できます。

  • 利益はどれくらい出ているか
  • 固定費は増えていないか
  • 資金繰りは大丈夫か

感覚ではなく、数字に基づいた判断ができるようになります。

特に、採用や設備投資、融資を検討する際には、客観的な数字の整理が欠かせません。

③ 融資や資金繰りに強くなる

金融機関は、試算表や決算書の内容を重視します。
整った資料があり、説明が明確であれば、融資の評価も変わります。

税理士顧問がいることで、

  • 月次決算の早期化
  • 資金繰り表の作成
  • 銀行対応の助言

などが可能になります。

成長企業ほど、税務だけでなく「財務面」でのサポートを重視する傾向があります。

④ 経営者の時間を確保できる

会計や税務の悩みを一人で抱えると、想像以上に時間が取られます。
顧問税理士がいれば、判断に迷ったときにすぐ確認できます。

経営者の本来の仕事は、売上を作ることや組織を育てることです。
専門分野を任せることで、経営に集中できる時間が増える点も大きなメリットです。

顧問契約が向いているケース・向いていないケース

【顧問契約が向いているケース】

  • 売上規模が拡大している
  • 融資や資金調達を検討している
  • 節税や経営改善の相談をしたい
  • 社内に経理担当がいない

このような場合、継続的なサポートが経営の安定につながります。

【スポット依頼でも問題ないケース】

  • 事業規模が小さく、取引も単純
  • 経理や財務を社内で管理できている
  • 経営相談は特に不要

コスト重視であれば、必要なときだけ依頼する選択も合理的です。

ポイント整理|税理士顧問の主なメリット

  • 税務リスクの早期発見
  • 経営判断の精度向上
  • 融資・資金繰りのサポート
  • 時間の有効活用
  • 長期的な視点での節税対策

顧問料はコストですが、経営の安定と成長のための投資と捉える考え方もあります。

よくある質問(Q&A)

Q1:税理士顧問の相場はいくらですか?

法人の場合、月額2〜5万円程度が一つの目安ですが、会社規模や業務範囲によって異なります。
記帳代行や経営支援が含まれるかで金額は変わります。

Q2:顧問契約を途中で解約できますか?

契約内容によりますが、多くの場合は可能です。
契約期間や解約条件を事前に確認しておくと安心です。

Q3:顧問をつけると必ず節税できますか?

必ずしも税額が大きく減るわけではありません。
ただし、制度の活用やミス防止という意味では効果が期待できます。

まとめ:税理士顧問は「今の会社の段階」で考える

税理士顧問をつけるメリットは、単なる申告代行以上にあります。
税務リスクの軽減、経営判断の質向上、資金繰りの安定など、会社の土台を支える役割があります。

一方で、規模や状況によってはスポット依頼で十分な場合もあります。

大切なのは、「顧問が必要かどうか」ではなく、
自社の今の段階に合っているかどうかを判断することです。

もし迷いがある場合は、業務範囲や費用内容を確認したうえで検討することで、不安を減らすことができます。
焦らず、自社に合った形を選びましょう。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。