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起業の成功率はどれくらい?データで見る現実と成功の秘訣

税理士 林遼平

税理士 林遼平

こんにちは、税理士法人ビジョン・ナビです!

「自分のビジネスを立ち上げたい!」と考える方が増えていますが、同時に「どれくらい成功できるのか?」という不安もつきまといますよね。今回は統計データをもとに、起業の現実と成功するための秘訣について解説します。

起業後の生存率 ─ 数字で見る現実

起業を志す人にとって気になるのが、「どれくらいの確率で事業が存続できるか」という点でしょう。以下は、複数の調査が示す参考値です(ただし母集団・定義により変動します)。

これらはあくまで“参考値”であり、実際には業種・地域・資本状況などによって大きく異なります。特に、登記上の「存続」はしていても、実質的には事業縮小や休業状態であるケースも含まれている可能性がある点に留意すべきです。

こうしたデータを踏まえたうえで、「10年後2〜3割生存説」が語られることもありますが、それはあくまで保守的な見立てや一般論として用いられるものであり、実証統計として広く支持されているわけではありません。

なぜ起業は“消えていく”ことが多いのか?主なリスク要因

起業がうまくいかない理由には、次のようなパターンがよく見られます。

  1. 資金繰りの悪化
    初期投資や運転資金が足りず、売上が追いつく前に資金ショートするケース。
  2. 市場ニーズとのミスマッチ
    提供したい事業・商品と、顧客の求めているものがずれている。
  3. 経営知識・ノウハウの不足
    会計・資金管理・営業・組織運営など総合的なスキルが求められます。
  4. 人材・協力体制の限界
    すべてを自分で抱え込み、リソースが枯渇する。
  5. 拡大戦略の失敗
    事業が軌道に乗った段階で急拡大を図り、固定費がかさんだり、管理が追いつかなくなる。

起業で「成功率」を高めるための戦略

上記のリスクを踏まえ、以下は起業段階で取り組んでおきたい戦略です。

1. スモールスタートで市場検証

大きく投資する前に、小さな実験的なプロジェクトで反応を見る。
→ MVP(最小実行製品)で顧客の反応を見て、改善しながら拡張する手法が有効です。

2. 徹底した市場調査とペルソナ設計

「誰に何を届けるか」を明確にし、顧客像(ペルソナ)と購買プロセスの仮説を立てる。

3. 経営スキルを自ら学び、可視化する

月次予実管理/キャッシュフローシミュレーション/KPI設定など。
数字で判断できる仕組みをつくることが、後からの判断力を支えます。

4. 外部の専門家・協力者を活用

税理士・会計士、コンサルタント、地域起業支援機関などを活用して、リスク軽減を図る。

5. リスク耐性・資金余裕を持たせる

想定外支出や売上低迷に備え、余裕資金を持たせておく。
また、複線型の収益構造を構築することで、主力事業が揺らいだときのセーフティネットになる。

6. 事業承継・出口戦略も視野に

長期的に残すなら、将来の承継・M&A・事業売却なども視野に入れて仕組みを整える。

 

まとめ

起業後の生存率は、一般に語られるような「10年で残るのは2〜3割」という数字がそのまま通用するわけではありません。ただし、「一定割合の企業が途中で淘汰される現実」は、多くの調査でも裏付けられています。

よって、起業を志す方には次の点を強くおすすめします:

  • 信頼できる根拠データと実例を交えて情報発信をする

  • 起業準備段階での市場検証・資金計画を徹底する

  • 税務・会計・資金調達面で専門家を使う

  • 成長戦略だけでなく、リスク対策や出口視点も持って起業に臨む

税理士法人ビジョン・ナビでは、起業準備段階からの資金計画支援、税務・会計相談、事業承継まで一貫してサポート可能です。
「起業をスタートラインに立たせたい」「数字面で安心感を持って事業を進めたい」 という方は、ぜひ一度無料相談をご利用ください。

税理士 林遼平
執筆者:税理士 林遼平
林 遼平(はやし・りょうへい)税理士登録番号:124948号 税理士法人ビジョン・ナビ代表社員。京都出身。大学在学中に公認会計士試験に合格し、東京の監査法人にて上場企業の監査業務を担当。地元京都に戻り、平成29年より現法人の代表社員に就任。税務・会計に加え、IT導入支援や経営計画、労務対応にも精通。公認会計士・税理士・行政書士・社会保険労務士の4資格を保有し、中小企業の経営支援に力を注いでいる。